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「技能実習管理団体職員が語るベトナム人実習生エピソード」

2020 3/17
「技能実習管理団体職員が語るベトナム人実習生エピソード」
目次

現地での採用面接の様子、どんな人材を採用すべきか

実習生を採用するにあたっては、「送出し機関」と呼ばれる人材派遣会社から送り出してもらわなければなりません。(ベトナムの場合)

面接実施の1か月以上前に、集めて欲しい人材の条件(人数、性別、年齢、学歴など)と、ある程度の雇用条件(仕事内容、給与、勤務地、勤務時間など)を送出し機関へ伝えます。
そうすると送出し機関側で条件に合う実習生を選抜、もしくは求人を見た実習生自身が応募することによって候補者が集まります。このときに集まる実習生の多くはまだ本格的に勉強を始めていないため、日本語は頑張って暗記した自己紹介程度のレベルです。採用が決まってから正式に送出し機関の教育センターに入学して日本語、日本の生活習慣について学ぶことになります。

選考方法に関しては、受入れる企業様によって様々ですが、面接だけでなく筆記試験、実技試験も併せて実施することがほとんどです。

筆記試験は四則計算のテストが多く、ベトナムでも田舎の地域出身者の中には中学卒業後はずっと家の手伝いをしてきた為、使う機会も無かったのか計算の仕方を忘れてしまっているという場合も少なくありません。実際に日本で働き始めてから仕事に支障が出てしまうケースも過去にありました。

実技試験は、器用さ、正確さ、丁寧さ、体力、筋力などを測るものが多く、箸で豆を掴んで移動させる、リンゴの皮むき、腕立て伏せなど各企業様の特色が出ます。実技試験に関しては結果はもちろんですが、取り組む姿勢にも注目し、うまくいかないときの表情や態度、道具の使い方、終了後の片付けなど人間性を見ることができます。

実際に実習生と顔を合わせてしっかり話ができる面接はやはり最も重要です。選考人数によって個別面接かグループ面接になることもあれば、じっくり検討したいときはどちらも実施する場合もあります。

質問内容は、日本人への面接の場合とそれほど変わらない内容であるが、「その企業様で働きたい」というよりは「技能実習生として日本へ行きたい」が前提で進めます。またこちら側と実習生の間に通訳を介しているので通常の倍の時間が掛かることも考慮しておく必要があります。技能実習へ応募した理由、趣味や特技などの質問に関しては、どの実習生も送出し機関から教えられたマニュアル通りの答えをするのであまり参考になりません。そもそも一般的には通訳は送出し機関側の職員なので正確に実習生の回答を訳しているのか、こちら側ではわからないのも正直なところです。気を利かせてこちら側が喜ぶような回答に変換している可能性もあります。私が実習生へ必ずしている質問が「今までの人生で一番頑張ったことは何か?」だ。受験勉強や子育てなどの回答もあるが、「家庭の事情で夢を諦めて家族のために働いた」と答える実習生も未だに多いので、そう答えた内の約半分は、当時を思い出してしまい途中で涙を流してしまう。純粋で苦労をしてきた実習生を見ると、これから日本で良い思い出を作って欲しいと応援したい気持ちになります。

筆記試験、実技試験の成績が良い実習生に合格を出したくなるが、プライベートな部分も 確認してから判断するのが望ましいです。

採用する場合質問しておきたいこと

〇家族は日本に行くことは賛成しているか
⇒昔の日本のように父親の意見が絶対という慣習があるため、合格後に反対され辞退ということも。

〇結婚、離婚、子供の有無、恋人の有無
⇒夫婦仲が良くない、または離婚済みの場合、子供がいない状況だと日本に来てから恋人を作って妊娠する、させるというケースも。また恋人がいる場合、合格から日本に行くまでの間に子供ができて辞退する可能性もあるので注意事項として伝えておく必要がある。

〇日本に友人、親戚はいるか
⇒その友人、親戚は正式な在留資格で滞在しているかどうかも確認。
そもそも日本に遊びに行く手段として技能実習に応募することも。ベトナム人はSNSが大好きで、日本にいるベトナム人も良い面ばかり発信する。それを見て観光気分で来た実習生は仕事も日本語の勉強も適当で最後には失踪してしまう。

プライベートな部分にも踏み込み、その実習生の周囲の環境も把握したうえで合否を出すことをおすすめしたいです。そして時間に余裕があれば合格者の家庭訪問に行き、ご家族へ挨拶と企業説明をすることも望ましいです。ご家族に安心してもらうためでもあるが、実習生がどんな町、家で育ってきたか、どれほど家族に大切に育てられてきたかを実感し、実習生として受入れる責任の重さも感じるようにしましょう。

日本に来てから帰国するまでの実習生の様子

面接で合格した実習生は、送出し機関での勉強を終えて日本へ入国してきます。入国後はまず1か月間、入国後講習という日本語学校での勉強機関が義務付けられています。そこでは送出し機関の厳しい管理から解放され、羽目を外す実習生もいるので、要注意の実習生は学校から情報をもらっておくと良いです。入国後講習を終えるとやっと企業様での実習が始まるが、実習期間の過ごし方は下記のようなタイプに分かれるイメージです。

1、あくまでもお金を稼ぎにきたタイプ
⇒仕事は一生懸命するが、日本語は勉強せず休日も寮で寝て過ごす。もっと残業をしたいと抗議してくることも。

2、仕事、勉強にプライベートも充実タイプ
⇒仕事だけでなく日本語習得の意欲もあるため積極的に日本人職員に話しかける。可愛がられるので休日に観光に連れて行ってくれることもある。より日本語も上達するので公共交通機関で自分たちだけで出掛けることができる。ごく稀に日本人職員と結婚に発展することも。

3、遊びに一生懸命なタイプ
⇒仕事は最低限こなすが文句も多く、無断欠勤して遊びに出掛けることも。日本に残りたいために実習期間が終了して帰国直前に失踪するケースも。

特定技能は単純に労働力確保のために作られた在留資格だが、技能実習制度は日本で修得した技術を母国発展のために持ち帰るという趣旨であり、日本人の働き方を知ること、観光などで日本の文化に触れることも推奨されています。仕事だけでなく、休日はたくさんの経験、思い出を作ってもらうことが望ましいです。

失踪などのトラブル、問題例

上記でも少し触れていたが、技能実習制度で現状一番の問題となっているのが実習生の失踪です。日本語、技能試験の受験が必要な特定技能に比べて送出し機関で勉強さえすれば誰でも日本に来れるのが実習制度。最初から失踪目的で入国することだってできてしまいます。

これまで実習生の失踪を何度も経験してきたが、自分から戻ってきたり、警察に捕まって身柄の引き取りに呼び出されたことは一度もありません。(失踪後にオーバーステイで警察に捕まり、そのまま強制送還されたケースはある)なのでなぜ失踪したのか本人に確認はできないが、多くはSNSを通じたブローカーからの甘い誘い(偽の好条件求人)によるものが多いです。

それ以外の理由として、失踪した実習生のルームメイトから、駆け落ちという話も聞いたこともあります。ベトナムに夫、子供もいる実習生は実習を終えて帰国するとまた以前と同じ、家事と子育ての日常に戻ります。勉強をし直して留学生として再来日、そのまま日本に就職という未来も難しいので、そんな時にSNSで知り合った異性と意気投合し、日本で新しい人生をやり直すという 考えに至ったのだろうか。真実はわからないが、突発的にそんなことをしてしまうこともあるかもしれません。 他にも小さなトラブルはたくさんありますが、日本人とは違う感性によるものも多くあります。

近所の家の庭が綺麗だったため勝手に入り写真撮影をしていたら、不審者として110番通報されてしまい厳重注意を受ける、ということもありました。

またベトナム人の気の強さを感じるトラブルとしては実習生同士の喧嘩もあります。同じ職場に何人もベトナム人がいれば性格が合わないこともあるだろう。日本人の場合だと程よい距離間で極力関わらないように穏便に過ごすと思うが、ベトナム人実習生はしっかりと向き合ってぶつかります。こちらとしてはシフトを変更したり、ぶつかっている同士を離そうとするが、それだと離された方が「逃げた、非を認めた」ことになるとして受け入れてくれません。ベトナム人の気の強さ、プライドの高さを感じる出来事です。

トラブルも多く経験してきましたが、それはあくまでも一部の実習生です。基本的にベトナム人は親日的で勤勉であることは間違いありません。自分の思い通りにならないからと言って声を荒げるといったこともありません。ただ全体的に、リスクを考慮しない、今が楽しければ良いというマインドで行動している人が多いように思うので、その辺に注意しながら採用していかなければなりません。

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